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父のこと 今どこにいるんだろう

1年半程前、妊娠5ヶ月の3月のある日、お昼前に突然夫が帰ってきました。

 

今から帰る とLINEをくれていたのですが、気づかなかった私は驚いて「どしたん、しんどいの?」と聞いたところ、夫はとても辛そうに「落ち着いて聞いて欲しいんやけど、君のお父さんが昨日の夜亡くなった」と言いました。

 

私は当然すぐには受け入れられませんでした。

つわりの私のために3日前にバイクで食事を届けてくれた時は元気そうだったのに。

55歳の若さで、特に持病もなく、本当に突然の事故死でした。

なんで昨日のうちに教えてくれなかったのか聞くと、私の母が夫に口止めをしていたそうです。

妊婦の私に万が一の事がないようにと。

 

母の気遣いもわかりますが、一晩私に黙っていた夫の辛さは計り知れません。

 

父は料理が好きで、バイクが好きで、人を喜ばせる事が好きで、繊細なところもある子煩悩な人でした。

私は勿論好きでしたし、この時は少し泣きました。

 

スピリチュアルな事はよく知らないしあまり好きではありませんが、この時父がウユニ塩湖の様な綺麗な景色の場所を1人でバイクで走っている光景がパッと浮かびました。

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「これからはいつでもどこでも行けるんだね。」

父に対して良かったねとさえ思い、ここからあまり悲しくなくなりました。

良かったはずはありませんが。

もっと力一杯悲しみたかったのに。

父が亡くなったという実感がなく、色んなところに旅行に行っているだけという認識でした。

父がいなくなった悲しみより、家族が悲しんでいる事が辛かったです。

母と姉は本当に辛そうでしたし、息子に先立たれた祖母の悲しみはいかばかりでしょうか。

 

ちーちゃんを見て欲しかった、抱っこして欲しかった。もうお父さんの麻婆豆腐食べられへんのか…とぼんやり思う自分を人でなしの様に思いました。

 

突然の知らせからお葬式が終わるまで、私も含め家族全員がにーちゃんに励まされました。

小さい子供はにーちゃんだけでした。

まだ死が何か知らないにーちゃんは無邪気で元気で、息子のお陰で普通通り過ごせました。

 

憔悴しきっていた母も、どんなお悔やみの言葉よりもにーちゃんに励まされる と、にーちゃんの側にいました。

 

子供の力って、生の力って凄い。

 

未だに亡くなる、死ぬって何かわかりません。

父は今ここにいないだけなのに。

何年も出掛けているだけかも知れない。

ただ、時が経てば経つほど家族の間に流れる空気は変わってきている様に感じます。

ちーちゃんが生まれたり、姉の子が生まれたり、おめでたいことは多いけど多分全員が、口には出さないけれど父がここにいればと思っている。

やっぱり悲しいです。

 

突然こんな事を書いてすみません。

父の死について書くか迷いましたが、ひと月ずつにーちゃんの成長などを追っていると父の亡くなった3月になってしまい、自分の中で避けられない出来事だったので書きました。

亡くなった時の悶々とした気持ちを言葉にして、悶々の中身を自分の中で少し整理できた様に思います。

 

次の記事からはいつもの感じに戻らせて頂きます!